今さらですが読みました。アニメ化されてたらしいので。
25年くらい前に書かれた漫画で、まぁ名前はよく聞いていたけど、どうも最初の1-3巻あたりの絵がAKIRAみたいな絵でどうもとっつきにくく、読んでなかったんだよね。
まぁ読み終わった感想としては、えー、、、やっぱり死んじゃうのね、、たくさん人殺しちゃったから、君だけ生き延びてHappy endってのもあれだからね、、、でも死んじゃうのね・・・えー。。ってなどんよりした感じ?(笑)
読み終わってから1週間くらい、どんより考えちゃう感じの漫画でした。
4巻あたりから、一気に絵がめちゃうまくなって少女マンガ化するんだけど内容は結構ハードボイルドで、出てくる登場人物9割男なのにホモ指数もゼロ。
金髪碧眼、IQ200以上のチンピラ美少年の主人公アッシュは、ダウンタウンを仕切るアクタレだったんだけど、たまたま死にかけのおっさんから、『バナナフィッシュ』という名前の薬を手渡される。
ベトナム戦争帰りのシャブ中の兄貴も同じ言葉をつぶやいており、その謎解きを始める。
その謎解きを阻止しようとするのが、パパ・ディノことマフィアのボスで家出少年アッシュをさらって少年売春をさせた元締めかつ、アッシュを一番のお気に入りでレイプしまくっていたド変態執着おやじ。
売春させながら、一流の先生つけて勉強やら格闘技まで教え込んじゃって、歪んだ性格のおっさんなんだけど、彼の根底にあるのはアッシュが好き。自分の跡取りにしちゃうほど好き。でも、なかなか自分になびかないアッシュがかわいさ余って憎さ百倍なんだよね。
まー、最終的にはバナナフィッシュってのは、延々と人の意識をコントロールすることができる麻薬で、それをアメリカ政府に売りつけて他国に戦争やら小競り合いを意図的に起こさせてアメリカ国の保守を図るという壮大な計画だったんだけど、
アッシュはそれを阻止させるとともに、この変態おっさんの束縛から逃れて、ようやく自分の人生を取りすっていうお話。
まぁ何度も殴られ、撃たれ、おっさんらにレイプされるけれども、心の支えである英二さえ横にいてくれれば、常にHappy.
でもホモじゃないから、そこに恋愛感情はゼロ、ただただ友情だけがあるんだよね。
英二は日本から来た大学生で、元々高跳びの選手だったけど、スランプで飛べなくなっちゃって、たまたま自分を被写体にしていたカメラマンに誘われてアメリカに来たところ、アッシュと出会う。
すごいのが、この英二君、とてつもなく天使。どこまでも天使、いるだけで天使。何か特別な才能があるわけでもなく、特別な言葉を吐くわけでもなく、ただただ足手まといなんだけど、まぎれもなく天使。
何も求めない、何も奪わない天使の英二君に、常に搾取されて、常に利用されてきたアッシュはぞっこんになっちゃうのよね、何がなんでも彼を守るのよ。彼のためなら撃たれようが、刺されようが、おっさんにまわされ様がへっちゃらなわけ。もう周りが引くレベル。
「あの日本人以外お前にとって人間じゃないんだろ」とか図星をつかれちゃっても、へっちゃら。だって、英二は俺の天使だから。
もーお互いに言わないんだけど、片方が怪我とかしたら「神様、自分はどうなってもいいから、英二を<アッシュを>助けてください」とか言い合っちゃう、相思相愛レベル。でもホモじゃないんだな。
まぁ最初に書いちゃったけど、最終的には変態おっさんも死んで自由になれども、勝手に「君の人生に俺がいない方が君は幸せになれる」みたなナルシスト精神だして、身を引きかけたんだけど、英二の
「君は僕を守ってくれていたけど、実は僕が君を守りたかったんだ、テヘ」みたいな手紙を読んで、え?俺が守られてた?俺が君を守ってたんじゃなくて?俺を守ってくれる人なんていなかったのに・・・英二ーーーー!まってーーー!飛行機のらないでー!俺、お前がいないと生きていけない~~~って走っていくところで、さっくりと刺されてTHE END。
まぁ、おっさんずラブも寸止めだから面白かったわけで、そこで生々しい男同士のセックスとかされたら引くわ。どん引くわ。
ってことで、ドン引き寸前で終わってくれたので、美しい友情の物語でした。
ただ、同時期に書いていた樹なつみの方がやはりストーリーのまとめ方も断然上。